はじめに

 ここでは家の構造について説明してきます。ここでいう家の構造とは、家自体の構造部材は何で、どのような形になっているかというもので、工法とも表現できます。
 実は私は工法についてはあまり重要視していませんでした。というのも最近のハウスメーカーが手掛ける住宅であれば、正直どの工法でもある程度のことはできるからです。最終的には私のマイホームは軽量鉄骨造となりましたが、何か決め手があってその工法にしたわけではなく、気に入ったハウスメーカーがその工法を一番得意にしていたというだけです。
 とはいえもちろん各構造によって特徴があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ハウスメーカーの営業さんは自社の工法のメリットや他の工法のデメリットは教えてくれますが、結局どれも良い点・悪い点があって判断が付かないのが現実です。なので私なりに第三者的な視点で各工法について整理してみたので、参考にして頂ければと思います。
 ここで紹介する構造(工法)は「木造軸組工法(在来工法)」「2×4(6)工法」「(重量・軽量)鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」です。

●住宅の構造一覧(※各工法のイメージ図は各メーカーより引用しています。)

【木造軸組工法(在来工法)】
「概要」 
 木造軸組工法とは建物の骨組みを柱と梁の軸組により構成する工法で在来工法とも呼ばれます。昔からある工法のため多くのハウスメーカーや工務店で施工可能です。
 
「メリット」
・施工可能なメーカーが多い。
・複雑な間取りでなければ、間取りの自由度は高い。
・骨組みは柱と梁のため、将来的な間取り変更やリフォームに比較的対応しやすい。
 
「デメリット」
・建方工事にある程度の期間が必要となるので、気候による工期の遅れや、雨がかりによる部材の品質管理に不安が残る。
・大空間や中二階、ロフトといった複雑な間取りに対応できない場合がある。
・大工の腕に影響される部分も多く、品質にバラつきが出る可能性がある。

木造軸組工法(在来工法)の主なハウスメーカー

タマホ-ム
タマホーム

積水ハウス
積水ハウス

住友林業
住友林業


【2×4(6)工法】
「概要」 
 2×4(6)工法とは2インチ×4インチの部材を使用し、建物の骨組みを面的な構成で組み上げる工法で、正式な名称は「枠組壁工法」と言う。外力に対して面で力を受けるため、耐震性に優れていると言われる。使用する部材が2インチ×6インチの場合は2×6工法と呼ばれます。最近ではかなりメジャーな工法のため、施工可能なメーカーも多いです。
 
「メリット」
・施工可能なメーカーが多い。
・耐震性に優れていると言われる。(ただし近年の各工法における技術開発は日進月歩のため、他の工法においても十分な耐震性は確保されている。)
・2×4材が壁に多く使用されるため、気密性や断熱性に優れる。
 
「デメリット」
・建方工事にある程度の期間が必要となるので、気候による工期の遅れや、雨がかりによる部材の品質管理に不安が残る。(最近では工場で壁を予めパネル化して現場作業を出来るだけ少なくしているメーカーも多くなっています。)
・壁が構造部材となるため大空間や開口部を大きくするためには工夫した設計が必要となる。(2×4工法をメインとしてるメーカーであれば、要望を満たすために設計を色々工夫してくれることが多いです。)
・2×4工法が日本に向いていない可能性がある?(「2×4工法は気候的に日本向きではない。」という内容の記事を目にすることが多い。日本で採用され始めてそれなりの歴史も積み重ねてきているので大丈夫だとは思うが、多少の不安は残る。)

2×4(6)工法の主なハウスメーカー

一条工務店
一条工務店

三井ホーム
三井ホーム

ウィザースホーム
ウィザースホーム


【(重量・軽量)鉄骨造】
「概要」 
 (重量・軽量)鉄骨造とは鉄骨を構造部材とした工法で、使用する鋼材の厚さが6mm以上だと重量鉄骨、厚さ6mm未満だと軽量鉄骨となります。構造部材に頑丈な鉄骨を用いることで、柱や梁の数を減らし間取りの自由度や大空間を実現します。重量鉄骨は軽量鉄骨よりさらに頑丈なため、3階建てや軽量鉄骨よりさらに大空間などの自由度が増します。壁やその他の柱といった部材は工場生産として上棟後に施工されることも多い。
 
「メリット」
・鉄骨部分以外の間取りはほぼ自由のため、間取りの自由度が高い。
・上棟後にその他の壁などを施工することが多く、気候による品質のバラつきが少ない。
・耐震性に優れる。(揺れを抑えるわけではなく、揺れに強いという意味)
 
「デメリット」
・施工できるメーカーに限りがあり、木造軸組工法や2×4工法と比較するとややコストが高くなりがち。
・木造に比べ重量が増すため、土地によっては地盤改良が必要になる可能性がある。

(重量・軽量)鉄骨造の主なハウスメーカー

セキスイハイム
セキスイハイム

大和ハウス
大和ハウス

積水ハウス
積水ハウス

トヨタホーム
トヨタホーム

へーベルハウス
へーベルハウス

パナホーム
パナホーム


【鉄筋コンクリート造】
「概要」 
 鉄筋コンクリート造とは鉄筋コンクリートを構造部材とした工法でRC造とも呼ばれます。なんといっても鉄筋コンクリートのため堅牢で災害に強いのが特徴です。また耐火性能や耐久性・気密性・遮音性など色々な住宅性能においても優れている。ただしコストが高くになりやすい点や、土地によっては高額な地盤改良が必要だったり、施工できない場合などもある。
 
「メリット」
・あらゆる災害に強い。
・耐震性、耐火性、気密性、遮音性といった住宅性能においても優れている。
 
「デメリット」
・施工できるメーカーに限りがあり、コストが高くなりがち。
・重量が重くなるため、土地によっては地盤改良が必要だったり、施工できない場合がある。

鉄筋コンクリート造の主なハウスメーカー

レスコハウス
レスコハウス

大成パルコン
大成パルコン


※補足
【ユニット工法について】
・よくユニット工法について聞かれることが多いですが、ユニット工法はあくまで建方工事の工法で、鉄骨造などの住宅において鉄骨や壁などをある程度まで制作し、現場ではそれを組み立てるだけにすることで現場作業を少なくする工法のことを総称してユニット工法と言います。住宅の構造とはまた別の話なのでご注意ください。


 さて住宅の構造について一通り解説しましたが、これで構造やハウスメーカーを絞れそうでしょうか?おそらくは大半の人が構造ではメーカーを絞ることはできないと思います。それはどの構造にも一長一短があるからです。もちろん住宅の構造は大事なことですが、私の体験談としてまとめると「自分のマイホームで優先したいことを絞って、それに見合う構造を選ぶのが最善の選択になる。」ということだと思います。
細かい話にはなりますが(実はあまり細かくないが・・・)、この住宅の構造によって火災保険や固定資産税の額が変わってきますので、ご注意ください。