はじめに

 マイホームの計画は間取りだけが、重要な訳ではありません。どのような設備をどこまでつけるかによって家の快適さも予算も大きく変わります。またマイホームは通常30年以上は住み続けますが、設備によってはその間の維持管理費も変わってきます。マイホームの計画では設備の計画もとても重要な項目の一つと言えるでしょう。
 ここでは色々な設備について私が感じたことをまとめています。費用についてはメーカーや規格によって変わってくるので、あくまで参考というかたちで見てください。

●住宅における設備の一覧および性能やコスト

【太陽光発電】
便利さ:☆☆☆
コストパフォーマンス:☆☆
費用:約100万(3kW程度)
【備考】
・マイホームに設置する設備の代表格。発電した電気を使用したり、売電することで電気代が安くなる。設置する面積によっては収入が出る可能性がある。
・オール電化やHEMSと合わせて設置することで、より効果を発揮する。
・ただし基本的に売電価格は太陽光発電を設置するのにかかったコストを相殺するシステムのため、長期的に考えると差し引きゼロになる。
・個人的には家の広さや他の設備より優先して設置すべき設備とは思わない。
・他のメリットとしては災害時に停電とかが発生しても自家発電で最低限の電力が得られること等がある。
【メンテナンスフリーの外壁】
便利さ:☆☆
コストパフォーマンス:☆☆☆
費用:100~200万程度
(標準仕様の場合あり)
【備考】
・住宅の外壁は一般的には10年程度で塗装材の塗り直しといった維持管理費がかかる。そしてその費用は長期的にみるとかなり大きな出費となる。そのため最近のハウスメーカーではこういった維持管理費のあまりかからない外壁が主流になっている。
・大手のハウスメーカーでは標準仕様になっていることも多いが、全く維持管理がいらないわけではなく、必要になってくる維持管理費はメーカーによって異なる。
・標準仕様になっていない場合はおよそ100~200万程度で変更できることが多い。それでも長期的な維持管理費より安くなる場合が多いため、メリットはある。また外壁材のランクを上げることで、住宅自体の見栄えがよくなることも良い点である。
【天井高のかさ上げ】
便利さ:☆
コストパフォーマンス:☆☆
費用:100~200万程度
【備考】
・住宅性能として何か便利になったりするわけではないが、開放感がとても増す。
・吹き抜けが間取りとして計画されている場合は必要ないが、吹き抜けがない場合は検討してみても良い。
・かさ上げできる高さは20cm程度が一般的で、かさ上げする場合は、その階全体を高くすることになる。基本的にはリビングのある階だけ天井高をかさ上げして、他の階は標準のままというケースが多い。
【エコキュート】
便利さ:☆☆☆☆
コストパフォーマンス:☆☆☆☆
費用:30~50万程度
【備考】
・電気代が安い深夜電力を使ってお湯を沸かし、そのお湯をタンクに貯めておくシステム。深夜電力をより安くできる契約の方が効果的なため、オール電化向け。逆にオール電化の場合は設置して損はない。
【蓄電池】
便利さ:☆☆
コストパフォーマンス:☆
費用:100~300万程度
(上限100万円の範囲で、機器費の1/3は補助金あり)
【備考】
・電気代の安い深夜に充電し、日中に放電することで電気代を安くする。
・エコキュートと同じような仕組みであり、やはり深夜電力が安い契約で一番効果を発揮するため、オール電化でHEMSと組み合わせ設置する場合も多い。
・停電時にも必要最低限の使用状況なら1日くらいはまかなえる。蓄電池単体で設置する場合は費用に対してメリットが少ないが、キャンペーン等で太陽光発電やHEMS等と合わせて安く設置できるなら考慮しても良い。
・補助金の額が大きいため実質的な負担額は少なくできる。
【エネファーム】
便利さ:☆☆☆☆
コストパフォーマンス:☆
費用:200~300万程度
(40万前後の補助金あり)
【備考】
・その名前からエコキュートと混同されることが多いが、実はエコキュートとは全然別物。
・ガス水道配管、給湯タンク、燃料電池の3つで構成されていて、ガスに含まれる水素を取り出し酸素と化学反応させて電気と熱を取り出すという仕組みになっている。
・詳しい仕組みはともかく発電と給湯がまかなえる。オール電化ではなくガス配管を検討している人にとっては検討する価値はある。
・オプションを付けることで、停電時の非常電源としても使用出来るようになるが、ガスや水道がストップしている場合は使えないため災害に対する備えとしては微妙。
・設置費用に対して補助金額も少なくまだまだハードルが高い感じは否めない。
【全館空調】
便利さ:☆☆☆☆
コストパフォーマンス:☆☆
費用:150~300万程度
【備考】
・その名前の通り、住宅全体の空調をを一つのシステムとする設備。取り扱っているメーカー自体が多くないため、この設備を設置したい場合は自然とメーカーも絞られる。また第一種換気(後述)となることも多く、その場合は花粉除去や熱交換といった効果もプラスされる。
・少し前までは家全体で同じ温度設定しか出来なかったが、最近では各部屋にコントローラを設置して個々に温度設定ができる機種も出てきている。
・空調の仕組み自体はエアコンなので、冬季の乾燥や電気代は気になるところ。ガスストーブやオイルヒーター、蓄熱暖房といったエアコン以外の暖房器具を検討してる場合は向かない場合が多い。
【第一種換気】
便利さ:☆☆
コストパフォーマンス:☆☆
費用:30~60万程度
(熱交換有りの場合は50~80万程度)
【備考】
・あまり聞きなれない設備。住宅においては建築基準法により24時間換気が義務付けられているため、第一種換気(強制給気・強制排気)か第三種換気(自然給気・強制排気)のどちらかが採用される。第一種の場合は給排気ともに機械による換気になる。そのため換気を管理する機械を設置して、そこからダクト等で各部屋に配管するシステムが多い。
・換気を一ヶ所で管理出来るため、花粉やPM2.5といった微粒子をカットする機能が付いてる場合も多い。
・熱交換システムが付いてる場合は、給気と排気の熱を交換してくれるため家自体の断熱性能が向上する。ただし熱交換システムは電気代もそれなりに掛かるためコストパフォーマンスはあまり良くない可能性がある。
・第三種換気では壁面に給気孔が設置されるが、第一種換気ではこれが無くなるためデザイン面でも優れる。
【HEMS】
便利さ:☆☆
コストパフォーマンス:☆
費用:50~100万程度
(10万前後の補助金あり)
【備考】
・家庭内の使用電力状況や太陽光発電状況等をモニターで見ることができるシステム。現在進行形で色々と開発されている技術で、HEMSのモニターから家庭内の機器を操作できる機種も出てきている。
・あくまで電力状況がモニターで表示されるだけのため、直接的に節約や家計の助けになるわけではない。
・モニターはタブレット端末や小型TV、PC等を使用することが多い。
・キャンペーンや太陽光発電とセット等で安く設置できるなら検討してみる価値はある。
【床暖房】
便利さ:☆☆☆
コストパフォーマンス:☆☆
費用:初期費用とランニングコスト
※参考までに下に目安の金額を載せますが機種やメーカーにより大きく差があるので、しっかり確認をするようにしてください。
・電気式
10畳:50万程度(月々12000円程度)
30畳:130万程度(月々32000円程度)
・温水式
10畳:70万程度(月々5000円程度)
30畳:110万程度(月々15000円程度)
【備考】
・床下に硬質チューブもしくは発熱体を設置し、床下から部屋全体を暖めるシステム。熱源を電気式にするか温水式(ヒートポンプ)にするか温水式(ガスや灯油など)にするかで初期費用やランニングコストが変わってくる。電気式はランニングコストが高くなる点よりリフォームなどで設置する場合に多く、新築においては一般的な地域ではヒートポンプ、寒冷地ではガスや灯油を熱源とするのが主流となっている。
・新築の場合はある程度広い範囲もしくは全館で床暖房として、家全体を温めて快適性を高めることが多い。そのため費用がそれなりに掛かることや、夏季の冷房は必要となるためエアコンは設置することになる点で躊躇うことも多い。
・暖房としての快適性は優れていて、比較的乾燥しない点や、足元からじんわりと暖かくなる感じは気に入る人も多い。新築で建てる最近の家は断熱性能が良いため、暖房専用の設備として初期投資を考慮した上で設置したいと思えるかが分かれ目。
【蓄熱暖房器】
便利さ:☆☆
コストパフォーマンス:☆☆
費用:30~50万程度
【備考】
・蓄熱できるレンガが中にぎっしりと詰まった暖房器具。その仕組みはエコキュートと似ていて、料金の安い深夜電力を使って蓄熱して、日中に放熱する。輻射熱を利用するため、ほんわか暖かく、体感的には心地よい。
・住宅や設置する部屋の広さにもよるが、蓄熱暖房器だけで家全体をまかなうとしたら、それなりの上位機種が必要となる。夏季の冷房利用の観点でエアコンも設置している場合がほとんどなので、上手に併用するのが得策。
・深夜電気とはいえ、電気料金がそれなりにかかるのがネックで、エアコン暖房のみの場合より、真冬で月々+5000~8000円程度を見込んだ方が良い。