はじめに

 ここでは間取りの計画について説明しています。マイホームの間取りの計画においては1ページでは収まらないため、まずは間取りを計画する際の重要な点について解説します。効率的な間取りの考え方やコストを抑えるための工夫など、まずは基本的な知識を紹介して次の「間取りの計画-2」で具体的な間取りを紹介していきます。

●間取りを計画する際の重要事項

【面積と外壁の関係】
 「間取りについて」のページでも少し触れましたが、一番コストパフォーマンスが高い家は「正方形で総二階建て」です。これは面積に対して外壁の量が少なくなるためです。住宅の価格と言うものは設備関係を除いて建物だけで大まかに考えると基礎、床、壁、屋根といったもので構成されています。
 下図を見てもらうとわかるように、10m×10mの正方形の外周は40mで面積は100m2なのに対して、L字型にすると外周は40mで変わらないのに面積は75m2に減ってしまいます。L字型で面積を100m2にするとなると外周は50mとなってしまいます。
 このように外周を少なく面積を一番効率よく広く出来るのは正方形です。これはすなわち材料を少なく面積を広くすることと同じ意味なので、家の形状は出来るだけ正方形に近づけることがコストを抑えるうえで重要になってきます。
 また実はコストの面だけでなく、断熱性の面でも面積に対する外周の割合が小さくなるため有利になりやすいです。(ただし窓の大きさ等によっても変わるので一概には言えませんが)
正方形
一辺が10mの正方形
面積:100m2、外周:40m
L字型1
正方形と外周が同じL字型
面積:75m2、外周:40m
L字型2
正方形と面積が同じL字型
面積:100m2、外周:50m

【1階と2階の面積】
 さて今度は1階と2階の面積についてですが、これについてもすでに予想がつくかもしれませんが、出来る限り同じ面積にした方が良いです。というのも上の「面積と外壁の関」紹介しましたが、住宅は大まかに分類すると基礎、床、壁、屋根で構成されています。そして基本的に2階の面積が1階より大きくなることはありません。(ガレージ等を計画している場合はガレージも1階部分と考えます。)ですので延べ床面積が一緒でという条件で、1階と2階の面積が同じ場合と、1階の面積が2階より大きい場合について考えていきましょう。
 下図を見てもらうとわかるように、延べ床面積が200m2で1階(100m2)+2階(100m2)の場合は基礎と屋根も100m2を満たす広さで大丈夫です。それに比べて延べ床面積200m2で1階(120m2)+2階(80m2)では基礎も屋根も大きい1階に合わせて120m2分必要になります。
 このように実は基礎や屋根は1階と2階の面積に違いがあると、面積の大きい方に合わせなければいけないためコストが高くなってしまう原因になるのです。そのため出来る限り1階と2階が同じ面積になるように間取りを計画した方が良いのです。
100100-1
延べ床面積:200m2
1階:100m2、2階:100m2
100100-2
基礎も屋根も100m2
120080-1
延べ床面積:200m2
1階:120m2、2階:80m2
120080-2
基礎も屋根も120m2

【家を支える構造部材】
 ここまでは家の大まかな形に関して説明してきましたが、最後に解説するのは「家を支える構造部材」についてです。ここからはこれまでとはちょっと違い少し難しくなります。
 構造部材に関しては「住宅の構造について」のページでも説明しましたが、色々な構造があれど住宅を支えているのは、この構造部材です。そしてこれはほとんどの場合、基礎から屋根にかけて1階と2階をまっすぐ通ります。そのため1階と2階の間取りにおいて出来る限り壁の位置を同じにした方が、ご自身で作成した間取りをハウスメーカーが実現できる可能性が高くなります。外壁以外の内側にどれだけの量の構造部材が必要となるかは構造やハウスメーカーによって異なります。ただ構造部材等も考慮して作成した間取りの資料があれば、ハウスメーカー側も色々と考える手間や、またこちらが重要視している点なども汲み取ってもらえるため、打ち合わせがスムーズになる可能性もあります。
 下には私がよく使っている無料の間取り作成ソフト「せっけい倶楽部」で簡単に1階と2階の壁の通りを考慮した間取りを載せてあります。ピンクで表示されているのが他の階の壁になり、それで壁の通りを確認できるようになっています。具体的な間取りについては「間取りの計画-2」で色々と紹介しているので、そちらを見てみてください。
1-1
1階
1-2
1階(ピンクは2階の壁)
2-1
2階
2-2
2階(ピンクは1階の壁)

【収納は多めに計画】
【水回りは固める】
 最後に少し細かい点について説明しておきます。右に書いてある通りなのですが、まず一点目は収納は多めに計画しましょう。というのも間取りにおいては、どうしても「リビングを広く」とか「ダイニングも広く」とか各部屋を広めにしがちです。しかし納戸や押入れ等の収納をしっかり計画しないと、結局はリビングやダイニングに棚を置くことになり部屋を狭めることになります。また後から買った棚などでは収納力もイマイチな上、見栄えも悪くなりがちです。そうならないためにもしっかりと各部屋に収納を計画しましょう。基本的には今お住まいになっている家でどれくらいの収納を使用しているかを把握し、将来的なことも考えて計画するのが望ましいです。ハウスメーカーによっては「今のお住まいを見学させて下さい」とお願いしてくるメーカーもあります。収納等を見られるため、気持ちの部分で抵抗はあるかもしれませんが、より良いマイホームの計画のためには見てもらった方が良いです。またこの時当たり前ですが、前もって片づけたりはしない方が、後々暮らしやすいマイホームの計画につながります。
 もう一点は水回りを固めた方が良いということについてです。キッチンやお風呂・トイレ等の水回りですが、当然ですが位置的に近い方が配管の面でコストが安くなります。また配管が短くなるということは故障等のリスクの面でも安全になります。その他にも最近の住宅では色々な個所でお湯を使用します。配管が長くなるとなかなかお湯が出てこないといった状況を発生させますので、そういった面でも配管を短くする方が良いでしょう。この「固める」ということについてですが、同じ階にある必要はありません。1階と2階に分かれていても、上下で近い位置にあれば配管は短くて済むので大丈夫です。