はじめに

 ここではマイホームの住宅ローンについて説明しています。さてここまでマイホームの計画が進んで来れば、本当にあと一息です。以前のページ「マイホームの予算について」で年収からの大まかな予算については解説しているため、ここでは事前審査や本審査、融資の実行といった住宅ローンの融資の流れや、より詳細な住宅ローン商品について解説していきます。
 まずは住宅ローンを組む流れですが、簡単に表すと以下になります。

住宅ローンの流れ

 ①事前審査
 借り入れ予定の金額に対して、融資可能かどうかを審査してもらう。「事前審査」という名前だが、マイホーム計画に一番影響を与える可能性がある。ここで審査が通ればその銀行では基本的に借り入れ可能。時期としては仮契約前後で行うことが多い。おそらくは銀行側は身辺調査みたいなものを行うと思うので、マイホーム計画の以前からクレジットカードや携帯電話代等の支払いで滞納が無いように気を付けた方が良い。事前審査なので候補の銀行の1~3箇所くらいで行えば十分。
 
 ②本審査
 事前審査で審査がおりた銀行より、最終的に借り入れを行う銀行に融資を申し込む手続き。事前審査が通っているはずなので、書類記入の手間はあるものの検討することは少ない。ここで一度、固定金利や変動金利など住宅ローンをどのように組むか決めなければならないが、この後の融資実行の際に最終的に決めるので、ここではまだ悩みすぎる必要はない。時期としては内装もほぼ固まり、工事に着手する前後に行うことが多い。
 
 ③融資実行
 その名の通り、融資を実行する手続き。工事も終盤に入り、ハウスメーカーに代金を支払う段階で行う。最終的に住宅ローンをどのような金利で組むかを決める。準備する書類や記入する書類なども多く、一番緊張する手続きではあるが、ある意味「家を買う」瞬間。

●住宅ローンの商品について

 さて、ここから住宅ローンの具体的な商品について解説していきたいと思います。といっても各銀行の金利や商品を紹介していくのは無理があります。また常に変わる金利によって銀行側もどんどん新しい商品を出してくるため、基本的にはあなたが住宅ローンを組む時に取り扱っている商品を確認することになります。
 ではここでは何を紹介するかと言うといわゆる金利の種類「変動金利」「固定金利」「固定金利の期間」等について解説していきたいと思います。金利の種類は住宅ローンの融資額に直接的に影響を与えます。また人生設計やリスク管理といった様々なことを考慮して決めなければいけません。ここではそういった観点で出来るだけ簡潔に金利の種類等について解説していきたいと思います。
 
【変動金利】
【固定金利】1年~20年
【固定金利】35年(フラット35)
「概要」 
 半年毎に金利を見直す商品。金利の見直しは半年毎だが、支払額の見直しは5年ごと。支払額の見直しについては上限があり、1.25倍となっている。この1.25倍で収まらない程、金利が上昇している場合は、利息分を後に払わなければならない。金利の見直しが半年毎に行われるため、銀行側にとってもリスクが低いため基準金利より大幅に低い金利の大胆な商品を提供してくれる。
「概要」 
 設定した年数だけ固定金利で支払いをし、固定期間が終了した時点で再度、固定金利か変動金利かを決められる商品。最初の固定金利期間の金利の引き下げ幅は大きいが、その期間終了後は引き下げ幅が小さくなる。この時の引き下げ幅は最初の固定金利期間の長さによって異なるが、基本的に最初から変動金利を選択した場合より引き下げ幅は小さい。
「概要」 
 返済額が35年間固定の商品。ただし金利の引き下げ幅は他の商品に比べ小さい。またフラット35の金利には団信保険料が含まれていないため、その分も考慮すると支払額が大きく感じてしまう。ただし35年間返済額が変わらない安心感がある。
 ざっと簡単にローンの商品について説明しましたが、正直この説明ではあまりイメージが湧かないかもしれません。ですので今度は下記に簡単に各金利の商品で35年ローンの支払い図を作成してみました。試算条件や各商品の概要についても示しているので参考にしてみてください。ただしあくまで一般的な商品例として試算しているので、具体的な金利については融資を検討している銀行の最新情報を確認してください。
 
条件
【変動金利】
【固定金利】5年
【固定金利】10年
【固定金利】35年
(フラット35)
・借入額:3000万
・基準金利
1~ 5年目:3.0%
6~10年目:3.5%
11~15年目:4.0%
16~20年目:4.5%
21~25年目:5.0%
26~30年目:5.5%
31~35年目:6.0%
・全ての商品で団信込の金利とする。
・金利の引下幅
-2.0%
・返済総額:約4160万
・金利の引下幅
最初の5年:-2.2%
固定金利期間終了後:-1.6%
・返済総額:約4320万
・金利の引下幅
最初の10年:-1.8%
固定金利期間終了後:-1.2%
・返済総額:約4430万
・金利の引下幅
借入時の金利-1.0%で35年固定
・返済総額:約4170万
返済イメージ
 正直なところ、上の試算したグラフや返済総額を見ると変動金利か35年固定の商品が良いように見えます。確かにパッと見はそうなってしまうのですが、ここで「④仮契約について」のページで紹介したライフプランシミュレーションを再度確認してみましょう。
 
ライフプランシミュレーション-2
参考:㈱オールアバウト「あるじゃん」編集部
 ここでライフプランシミュレーションを見て、住宅ローンの商品を選ぶ際に大事になってくるポイントは「資金繰りが苦しい時期はいつか?」という点です。
 基本的には子供がいる場合は、教育費が増える中学~大学の時期に資金繰りが厳しくなります。また子供が大学を卒業して社会人になった後は一気に楽になります。ですのでお子さんがいる場合は「何年後にその時期を超えるか?」という点を意識した方が良いです。
 もし子供がまだ小さい場合に5年固定や10年固定の商品を選ぶと、教育費が増える時期と返済額が増える時期が重なり資金繰りが苦しくなる可能性があります。逆に子供がある程度大きい場合は10年固定の商品であれば、固定金利終了時には資金繰りが楽になっていて返済に余裕が生まれる可能性があります。
 こういったことより個人的な意見をまとめると以下のようになります。
 
 ・現時点で子供が小さく、子供が大きくなるまでに出来る限り貯蓄を増やしたい場合は変動金利がおすすめ。
 ・固定金利の期間で資金繰りが苦しい時期を超えるのであれば、5年固定や10年固定を視野に入れる。
 ・資金繰りにある程度余裕がありそうなら35年固定で堅実な返済プランも検討
 
 ただあくまで個人的な意見であり、金利の動向等は誰にもわからないので、最終的にはご自身の判断で住宅ローン商品をしっかり決めてください。